かつてニッポン放送株のインサイダー取引で世間を騒がせた、村上ファンドの村上世彰氏の著書。
マスコミからは村上氏の過激な言動だけが取り上げられ、変わり者・金の亡者として覚えられているようです。
しかし、先鋭的かつ一貫した村上氏の投資信念は、今の私たちも学ぶべき視点だと思います。
本書は、当時、日本ではまだあまり浸透していなかったコーポレートガバナンス、つまり『経営者は、株主への利益還元をちゃんと考えていますか?』という観点を問いかけます。
これを読むと、当時氏がとられた過激な投資行動や発言も、すべて一貫した投資信念に基づいていたことが分かります。
当時の日本企業に鳴らした警鐘とその先進的な視点に感服せざるを得ません。
また、甘えたるんだ経営者が舵をとる日本企業だけではなく、経営責任と向きあうアメリカ企業にも投資しないと!と、考えを改めさせてくれます。
あれから10年以上たった今、日本でも配当金などの株主還元を重視する風潮がいくぶんは強まりました。村上氏の主張に、やっと少しは時代が追いついてきたようにも思います。
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