技術・仕組み

ビットコインの「マイニング」とは何か~コイン採掘の欲望~

読者さん
読者さん
ビットコインで「マイニング」って言葉をよく聞くけどなに?金でも掘っているのか?
いけやん
いけやん
私たちはマイニングを実際にすることはないけど、中身はしっかり知っておきたいところ。実はこの「マイニング」こそがビットコインを正しく機能させる絶妙な仕組みになっています!

ビットコインの「マイニング」とは

マイニングとは

「マイニング」とは、ビットコインのブロックチェーンを維持するために必要なコンピューター計算のこと。

マイニングを行う者を「マイナー」といいます。

マイナーたちは、マイニングが成功したときにもらえる報酬(ビットコイン)(=「リワード」といいます)を目的にマイニングを行います。

「マイニング」・・・膨大な計算量が必要なコンピュータ計算

「リワード」・・・マイニングを成功した者が報酬としてもらえるビットコイン

「マイナー」・・・リワードを目的にマイニングをがんばる人

いけやん
いけやん
この3つの言葉は覚えよう!
読者さん
読者さん
はいよー。

マイニングって、どんな計算?

では、

マイニングとは、具体的にどのような計算か?

もう少しみていきましょう。

ブロックをチェーン状に繋げるには「あるルール通り」でないといけない

ブロックチェーンの取引記録は、10分ごとに(100件とか、200件とか、)ひと塊の「ブロック」に詰め込まれ「あるルール」に沿って、これまでのチェーンの続きに組み込まれます。

(この「ルール」がどんなものかは、別で解説するとして、)

このルールを満たすためには、そのブロックに対応する「ある番号を探しあてる」必要があります。

いけやん
いけやん
イメージとしては、銀行口座の暗証番号を0000から9999まで総当たりで調べていって「あたり」を探すようもの。

この正しい番号を探す作業が「マイニング」の正体です。

マイニングを行っているのはどんな人?

マイニングで有利になるには「高性能」なコンピュータが「大量に」必要

マイニングは世界中のマイナーがスピードを競って行います。

やってること自体はみんな同じ「当たりナンバー探し」。

なので、どこで差がつくかというと、

  • 「高性能」なPC(=1秒当たりにより多くの処理をできるPC)を使う
  • より「たくさん」のコンピュータを使う

者が優位になります。

当然、いち個人ではなく、業者がマイニングを「事業」として行うことになります。

電気代が安く、寒冷なところが有利

さらに大量の計算を行うには、

  • PC自体を動かす電気代
  • PCが発する熱を冷やすための電気代(クーラー代)

がかかってきます。

よって、「電気代が安く」「寒冷な地域」がマイニング事業を行うのに有利です。

こうした事情からマイニングは、

  • 電気代の安い中国
  • もともと気温の低いカナダ

などで盛んに行われています。

いけやん
いけやん
日本は電気代が高いので、マイニングをやるには今ひとつですね。

マイニングは10分ごとの「勝者総取り」レース

マイニングはおよそ10分ごとに1回行われ、1回のマイニングが終わる(ブロックがチェーンに組み込まれる)と、次のマイニングが始まります。

ちなみにマイニング=数あてゲームの「難易度」は、世界中のマイナーが競って挑戦して、だいたい10分で終わるように「調整」されています。

報酬のビットコイン(リワード)がもらえるのは「一番最初に正解ナンバーを当てたもの」だけ

いけやん
いけやん
2位以下は一銭たりとも貰えません。
読者さん
読者さん
厳しい世界だな。

マイナーたちは、

  • 10分ごと始まるレース(競争)に繰り返しチャレンジし、
  • 1位を目指し続けている

ということになります。

1位のマイナーが数を見つけたら、2位以下のものは「答えを検証」する検算係

1位のマイナーが正解の数を見つけたら、

2位以下のものは、その答えが正しいか検証を行います。

読者さん
読者さん
さっきまで賞金狙いだったのに、検算係に成り下がるのか。

この時、

  • 正解の数を探し当てるのは、膨大な計算が必要ですが、
  • その正解が「本当に正しいのか、確かめるのは簡単」

というのが特徴です。

もし1位のものが探し当てた答えが間違っていたり、不正に書き換えたものだったりすると、他のマイナーから一瞬で「ちがいまーす」と指摘されます。

マイニングの正解値の「特徴」
  • 数を探し当てるのは「難しい」(膨大な計算が必要)
  • 正解が本当に正しいか確かめるのは「簡単」(すぐにできる)

不正を働こうとしても、この検証でバレる

そして、この「他のマイナーが1位のマイナーの正解を検証する」という仕組みがビットコインの不正を防ぐのに大きく貢献しています。

なぜかというと、不正を働いたとしても、ここで他のマイナーから正解と認められないと、報酬がもらえないから!

いけやん
いけやん
不正を働いても、お金にならないから割に合わない。この仕組みが絶妙!

読者さん
読者さん
だからみんなが不正を働かず、正しく行動しようとするんだな。

ビットコインが成り立つのは「信頼」「信用」ではなく「人々の欲望」のおかげ

管理者がいなくてもビットコインを正しく機能させているのは、根本的にはこの「人々の欲望」に基づいています。

信頼でも信用でもなく、リワード欲しいという欲望こそがビットコインを成立させています。

これは、かつてのゴールドラッシュに似た状況。ビットコインがデジタルゴールドと呼ばれる要因のひとつにもなっています。

マイニングの成立=ユーザーから見ると取引の「正式な承認」

また、マイニングの成立はコイン取引をする「ユーザー」から見ると、

この10分ごとのマイニングをもって、

「これまでのチェーンに組み込まれ、正式に成立」

となります。このことを「承認」と呼びます。

その時々の取引は、厳密には「あくまでこの後のマイニングで正式に承認される見込み」ということになります。

マイニングの成立=システム全体から見ると「新コインの供給」

さらに、ビットコイン「システム全体」から見ると、

マイニング成立の瞬間(=マイナーへ報酬のビットコインが付与されること)は、

「新しいビットコインがこの世に供給されること」

に他なりません。

これは、既存の「法定通貨」でいうと、

日銀が新しいお金を刷って市場に供給すること

に対応します。

ビットコインでは、市場に供給される新コインの発行ペース、発行量は全て決められています。

いけやん
いけやん
ここはビットコインに投資していく上で、とても重要なこと!
読者さん
読者さん
どうしてなんだ?

政府・中央銀行が発行する「法定通貨」は管理者の一存で多く刷られ、価値が薄まったりします。

読者さん
読者さん
自分の資産が薄まるというのはいやだ!

ところが、ビットコインにはこれがない!

ルール通りに、これまでもこれからも発行され続けることが、投資していく上でめちゃくちゃ重要です。