「ビットコイン価格」は「半減期」と連動して動く
始めに知っておきたいこととして、
ビットコインは4年に1度の「半減期とリンクして価格が動く」という経験則があります。
(https://coinmetrics.substack.com/p/coin-metrics-state-of-the-network-e18)
【復習】半減期とは
≫参考 ビットコインの「半減期」について
半減期とは何か
半減期とは、
4年に1回、マイニングを成功させたマイナーに支払われる「ビットコイン報酬」が半分に減らされるタイミング
のことでした。
2009年にブロックチェーンがスタートしたビットコイン。
2012年に初めての半減期を迎え、それまで50BTCだったマイニング報酬が25BTCとなりました。
これまでの半減期とマイニング報酬
ビットコインは誕生してから現在までに「合計3回」の半減期を経験しています。
半減期 | 時期 | マイニング報酬 |
1回目 | 2012年11月 | 50BTC ⇒ 25BTC |
2回目 | 2016年7月 | 25BTC ⇒ 12.5BTC |
3回目 | 2020年5月 | 12.5BTC ⇒ 6.25BTC |
オリンピックイヤーの4年ごとに半減期を迎えます。
なぜ半減期の設定があるのか?
そもそも、なぜビットコインに「半減期」というものが設定されているか?
というと、
- 過度にコインが供給されることによる「インフレ防止」
- 「採掘終了までの期間」を十分長くする
といった理由が考えられます。
もしも半減期がなかったら?
もし半減期がなく、「マイニング報酬がずっとー定」だとすると、
世の中へ供給されるコインが多くなりすぎ、インフレ(コインとしての価値毀損)を起こしてしまう。また、発行上限にすぐ達してしまう。
という問題がおこるでしょう。
だんだんと供給量を少なくすることで希少価値を高める仕組みとなっています。
▲黄色:リワード 青色:発行総量
「半減期」でビットコインの「希少価値」が上がる
さて、
ビットコインの「マイニング報酬」は、
「マイナー」から見ると、
膨大な計算に対するご褒美・儲け
である一方、
「ビットコイン経済全体」から見ると、
新たなコインの供給であり、通貨としての新規発行
という意味を持ちます。
つまり、発行ペースが変わると「コイン全体の総量」=「希少価値」に影響を及ぼします。
【結論】半減期後のビットコイン価格の関係
さて、ここからがこのページの本題となります。
結論としては、ビットコイン価格と半減期には、次のような関係(経験則)があります。
- ビットコイン価格は半減期を基準にした「4年ごとの周期的な動き」になる
- 半減期後1〜2年は、ビットコイン価格は「上昇期」
- その後2〜3年は、ビットコイン価格は「停滞期」
この傾向は、以下の図(再掲)を見てみると明らかです。
半減期後にビットコイン価格が上昇する理由
ここまで見てきたように、
ビットコイン価格が「半減期を基準とする4年間」で周期的に動いてきた
ことは、経験則的にも明らかです。
では「半減期後にビットコイン価格が大きく上昇する理由」は何でしょうか?
市場への供給量(フロー)が減ると、価格は上昇する
世の中への供給量が減ると、それだけ希少性が上がり、価格も上昇します。
このことは、ビットコインの価格予想モデルである「S2Fモデル」でも説明することができます。
▲半減期を境に価格は上昇フェーズに入る。
≫参考 ビットコイン価格を予想できるS2F(ストックフロー)モデルを徹底解説
半減期にはS2F値は「約2倍」、ビットコイン価格は「約10倍」になる
ストック【世の中にある総量S】/フロー【毎年の供給量F】
ストックフロー比率(S2F)とは、
「世の中にある総量:Stock」を「毎年の供給量:Flow」で割った値。
半減期ではフローFが「半分」になる一方、
ストックSは「ほぼ変わらない(わずかに増)」のため、
S2F値は「ほぼ倍」になります。
さらに、S2Fには3乗の指数がかかっているので、2の3乗=ざっくり8倍になることが分かります!
理論(S2Fモデル)は現実(ビットコイン価格)とも一致
実際、S2Fモデルでは半減期を境に「対数軸グラフの1マス=10倍」価格は上昇しています。(白色ライン)
さらに「実際のビットコイン価格」もこれに沿って上昇していることが分かります。(●印)