技術・仕組み

ビットコインの「半減期」とは?発行済みコイン数、価格との関係も解説

ビットコインの「半減期」

ビットコインの「半減期」とは、

4年に1回、マイニングを成功させたマイナーに支払われる「ビットコイン報酬」が半分に減らされるタイミング

のこと。

2009年にブロックチェーンがスタートしたビットコイン。

いけやん
いけやん
2012年に初めての半減期を迎え、それまで50BTCだったマイニング報酬が25BTCとなりました。

これまでの半減期とマイニング報酬

ビットコインは誕生してから現在までに「合計3回」の半減期を経験しています。

半減期 時期 マイニング報酬
1回目 2012年11月 50BTC ⇒ 25BTC
2回目 2016年7月 25BTC ⇒ 12.5BTC
3回目 2020年5月 12.5BTC ⇒ 6.25BTC
4回目
2024年(予定) 6.25BTC ⇒ 3.125BTC

ビットコインのブロックチェーンがスタートした2009年には、マイニング報酬は「50BTC」でした。

この後、マイニング報酬は、オリンピックイヤーの4年ごとに半分に減っていきます。

マイニングのペースは「1ブロック=10分」であるので、「21万ブロック=4年」ごとに半減期がやってくることになります。
4年(4[年]×365[日/年]×24[時間/日]×60[分/時間])÷10[分]≒21万

ビットコインの半減期は「なぜ必要か」?

読者さん
読者さん
でもなんで「半減期」なんて設定されているんだ?

そもそも、なぜビットコインに「半減期」というものが設定されているか?

というと、

  • 過度にコインが供給されることによる「インフレ防止」
  • 「採掘終了までの期間」を十分長くする

ことが考えられます。

いけやん
いけやん
ビットコインは、発行上限を2100万枚としたことで、希少性が生まれ、コインの価値が下がることを防いでいます(インフレ防止)

といっても、毎年同じ枚数だけ発行し続けていくと、あっさりとその上限に達してしまいます。

そこで、だんだんと、発行量を下げていくことで上限に達するまでの期間を長くしています。

もしも半減期がなかったら?

読者さん
読者さん
もし半減期がなかったら何か都合がわるいのか?

もし半減期がなく、「マイニング報酬がずっとー定」だとすると、

世の中へ供給されるコインが多くなりすぎ、インフレ(コインとしての価値毀損)を起こしてしまう。また、発行上限にすぐ達してしまう。

という問題がおこるでしょう。

だんだんと供給量を少なくすることで希少価値を高める仕組みとなっています。

▲黄色:リワード 青色:発行総量

読者さん
読者さん
2100万枚の発行上限のうち、ほとんどがもう発行済なんだな。
いけやん
いけやん
だんだんと供給量を減らすことで、残りの数百万枚をすこーーしずつ刷っていく仕組み!

ビットコインの半減期はなぜ「4年ごと」なのか?

読者さん
読者さん
なんで「半減期」は4年に一度なの?

ビットコインの半減期を4年間に設定した背景は、

「半導体の集積密度は、1年半〜2年に倍増する」

という「ムーアの法則」による、と言われています。

ただ、同法則では「1年半〜2年」で倍増のところ、ビットコイン半減期がなぜ「4年に1度」とされたかは不明です。

「半減期」でビットコインの「希少価値」が上がる

さて、

ビットコインの「マイニング報酬」は、

「マイナー」から見ると、

膨大な計算に対するご褒美・儲け

である一方、

「ビットコイン経済全体」から見ると、

新たなコインの供給であり、通貨としての新規発行

という意味を持ちます。

つまり、発行ペースが変わると「コイン全体の総量」=「希少価値」に影響を及ぼします。

いけやん
いけやん
これがビットコイン価格にも影響する、ということですね!

ビットコイン価格は、明らかに半減期を基準とした4年周期で動く法則が見られます。

いけやん
いけやん
半減期から1~2年で急上昇!そこから2~3年は調整期。
読者さん
読者さん
過去3回の半減期でもかなり似た動きがみられるな

≫参考 半減期とビットコイン価格の関係。半減期後どう動く?過去法則を検証

ビットコインの採掘はいつ終了するのか?

ビットコインの採掘(新規発行)は2141年まで

読者さん
読者さん
リワードが半分になり続けると、いつかビットコインの採掘は終了してしまうの?
いけやん
いけやん
その通りです!

半減期=4年ごとにマイニング報酬が半分になり続けると、ビットコイン市場に供給されるコインも半分になり続けます。

このビットコインの採掘は、2141年(付近)に終了します。

正確には1ブロックのマイニング時間が「ちょうど10分」ではないため、ずれが発生します。

ビットコインの新規発行が終わる時期は「リワードがBTCの最低単位」になる時

これは、

マイニング報酬(リワード)がビットコインの「最小单位」以下になってしまう

から。

ビットコインは小数点以下の扱いを認めていますが、この最小ケタは0.000000001(10)BTCとなっています。

また、この数量のことをビットコイン創設者「サトシナカモト」からとって、

0.000000001(10)=1satoshi(サトシ)

といいます。

≫参考 サトシナカモト論文の解説「現代金融の問題点」「ビットコイン構想」

スタート時点で50BTCだったマイニング報酬が「108BTC以下」になるのは、33回目の半減期の後で、今から120年後です。

ビットコインの「発行済みコイン数」

ちなみに、現時点でビットコインがどれだけ発行済みか?というと、

発行上限2100万枚に対し、2019年9月時点で1750万枚発行済み。

いけやん
いけやん
実に80%以上を発行済み。残りの20%足らず(数百万枚)をこれから争奪する時代がくる、ということ!

ビットコイン価格は半減期~次の半減期の4年周期で動く

ビットコインの半減期と価格には関係があると言われています。基本的には半減期の後1~2年で価格が上昇、その後2~3年は停滞。という周期を繰り返しています。

≫参考 半減期とビットコイン価格の関係。半減期後どう動く?過去法則を検証

ビットコインの価格予想「S2Fモデル」

ビットコインの価格を予想する理論として、プランBという人の「S2Fモデル」があります。

ざっくり言うと、

ビットコイン価格は4年に1度、約10倍になる

というもの。

そんなバカな・・・という話ですが、ビットコインが誕生してこの10年、恐ろしいほど、理論と実際の価格が一致しています。

そして、このようにビットコイン価格が動いていく理由の1つは「半減期」です。

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