技術・仕組み

ビットコインの「マイニング報酬(リワード)」とは

ビットコインの「マイニング報酬(リワード)」とは

マイニングという総当たり数字あてゲームを世界で一番早く達成した者には、その報酬としてビットコインが与えられえます。

このマイニング報酬は「リワード」とか「PoWプルーフオブワーク:膨大な仕事の証明)」と呼ばれることもあります。

マイナーにとって「マイニングの動機」はリワード

マイナーから見ると、リワードは仕事に対する報酬であり、マイニングにかけたコスト(設備代、電気代、人件費など)を差し引いた分がマイニング事業の儲けとなります。

正しくマイニングをしないと、他のマイナーからマイニング結果を承認されず、リワードがもらえません。

このため、リワードのおかげでマイナーは不正を働かず、正しく行動するインセンティブが働きます。

リワードは4年に1度、半分になる

ビットコインの(リワード)は、

ブロックチェーンが始まった時点では50BTCでしたが、4年に1度半分に減っていきます。

  • 2012年に「50BTC」⇒「25BTC」
  • 2016年に「25BTC」⇒「12.5BTC」
  • 2020年に「12.5BTC」⇒「6.25BTC」

と半減し、2021年4月現在でスタート時の8分の1の報酬となっています。

≫参考 ビットコインの「半減期」

マイニング報酬により、新しいコインが誕生・市中に供給される

その一方で、ビットコイン「システム全体」からみると、このリワードは、

新しいビットコインが発行され、市中に新しいビットコイン供給されること

を意味します。

これは現実世界のお金でいうと、新札を印刷して、市中に供給・流通させることに対応します。現実世界では、政府や中央銀行が経済政策としてお札の新規発行量を「調整」します。
これに対し、ビットコインは、10分間ごとのマイニング報酬額は、将来にわたって、明確にルールで決まっており、この決まりが変わることはありません。つまり、過去・現在・未来にわたって、市中に存在するビットコインの総数はある時間に対して、一意に決まってきます。

報酬目的のマイナーの行動がコインシステムを正しく機能させる

「マイニングをしたものに報酬が支払われる」という仕組みが、ビットコインを管理者不在でも機能させる大きな要因になっています。

もし、悪意ある参加者が過去の取引を改さんしようとすると、せっかく労力をかけた行ったマイニングのリワードがもらえない。

正しいマイナーより遥かに多い計算機・電気代を消費することになり、全く割に合いません。

  • 「悪いことをするぐらいならちゃんとマイニングした方が経済的に理に適っている」
  • 「マイナーは第三者の承認のため(ボランティア)ではなく、マイニング報酬(リワード)=自身の欲求のために動こうとする」

という状況。

この仕組みこそがビットコインの肝であり、「信用」ではなく「人の欲望」によってビットコインは正しく維持されているのです。

いけやん
いけやん
悪者が勝手に排除される仕組みになっているのがビットコインのすごいところ!