最初に、取引面での「株と仮想通貨の違い・注意ポイント」について紹介します。
仮想通貨を買っていくにあたっての前提・心がまえについて。
株式投資は、100年以上の歴史があり、制度や仕組みが整っています。
これに対し、仮想通貨は未成熟な世界。取引され始めてまだ10年足らず。
というわけで、株式と仮想通貨の取引面での違いとして、以下の8つを挙げます。
- どこで売買するか(「取引所」)
- 「売買時間」
- 「追加発行」で希釈されるか
- 「価格変動」(ボラリティ)の大きさ
- 「法整備」が進んでいるか(インサイダー取引など)
- 「ストップ高・ストップ安」があるか
- 利益に対する「税金」の制度
- 「発注方式」
株式と仮想通貨のちがい【1】どこで売買するか
株式は、
- ナスダック
- ロンドン証券取引所
- 東京証券取引所
などの「証券取引所」で売買します。
これに対し、
仮想通貨は、
- コインチェック
- ビットフライヤー
- ビットバンク
などの「仮想通貨取引所」で売買します。
仮想通貨取引所の運営は、金融庁から認可を受けた民間企業です。
・・・が、予期せぬ時間にシステムトラブルで売買停止になったり、
最悪の場合、
- 取引所がハッキングされてコインが流出したり
- 倒産するリスク
これらが0ではない点に注意。
株式と仮想通貨のちがい【2】売買時間
株式は、取引できる時間は平日の昼間に限られます。
これに対し、仮想通貨は、24時間365日いつでも売買可。
国に関係なく取引されるので、昼夜問わず、いつでも市場が開いています。
朝起きたら一気に値段が上がっていて、総資産が増えていた!ということがあります。朝から嬉しくなります。(逆もしかり\(^o^)/)
株式と仮想通貨のちがい【3】追加発行で希釈されるか
株式は、追加で発行することがあります。
その時には希釈化されて資産価値が下がります。
これに対し、仮想通貨はの多くは「発行上限枚数」が決まっています。
例えば、ビットコインは発行上限が2100万枚。
このため、これ以上の追加発行によって、価値が毀損することはないという安心感があります。
また、コインの発行が進むに連れ、希少価値が上がっていきます。
このことがビットコインの資産性・価値保存の性質にもつながっています。
≫参考 仮想通貨の投資は「ビットコインだけ買っていけば十分」である理由4つ
株式と仮想通貨のちがい【4】価格変動(ボラリティ)の大きさ
株式は、仮想通貨に比べると価格変動(ボラリティ)が小さいです。
儲かった、損した、といってもせいぜい「±数10%」がほとんど。倍半分になることはそうそうありません。
これに対し、仮想通貨は、数か月で2倍、3倍、4倍とか⋯平気であります。
もちろん、気を付けないといけないのは、
「これだけ価格上昇が大きいということは、下がる時も一気に大きく下がる」
ということ。
2017年のビットコインバブルの時(2回目の半減期の後)は、ATH(過去最高値:All Time High)からマイナス70〜80%の下落となりました。それでも、そこから僅か2年で復活を遂げています。
このように、仮想通貨は、価格変動(ボラリティ)が大きいことを十分知った上で、
- 短期の価格上下に動揺しない心構え
- 長期で保有する覚悟
が必須と言えるでしょう。
株式と仮想通貨のちがい【5】法整備が進んでいるか(インサイダー取引など)
株式は、法律による取引環境の整備がしっかりされています。
この先、仮想通貨投資が普及し、少しずつ一般的な投資対象となるに連れ、この辺りの法律は整備されていくのだと思います。
・・・が、株式並に万人が安心して取引できる環境が整うまでは、少し時間がかかると見られます。
株式と仮想通貨のちがい【6】ストップ高・ストップ安があるか
株式では、ストップ高・ストップ安が設定されており、1日の中の値動きがあまりに大きいと売買停止になります。
これに対し、仮想通貨は、そんな制度はありません。
しかも【2】の売買時間でも書いた通り、取引所は24時間365日オープン。目を離した隙にとんでもない損失が出ていたとしても、・・・それは自己責任。
株式と仮想通貨のちがい【7】利益に対する税金の制度
株式は、譲渡益(売買益)や配当にかかる税金は基本的に20.315%です。
元手がいくらであろうと一定。
これに対し、仮想通貨は、売買益・レンディング(貸し仮想通貨)による利息ともに「雑所得」となります。
これは給料などの他の所得と合わせて、累進課税の対象となります。
収入が上がるにしたがって税率(税金)も上がり、最高で45%もの税金を所得税でもっていかれます。
≫参考 No.2260 所得税の税率(国税庁HP)
まとめると、
- 株式の課税は、資産家に優しく整備されている
- 仮想通貨の課税は、まだそのような法整備がされていない(そして、これからも整備されるかは断言できない)
ということになります。
株式と仮想通貨のちがい【8】発注方法
株式は、基本的に「指値」や「成行」といった方法で発注します。
購入相手はいずれも「別の注文を出している他の投資家」。
これに対し、仮想通貨は「販売所」と「取引所」という2つの発注方法がある点に注意。
指値・成行で発注できる「取引所」は株式に近い買い方ですが、売買価格を指定できない「販売所」での売り買いは仮想通貨特有なので注意。
そして、「販売所」で売り買いすると、必ず損します!
≫参考 「販売所ではなく、取引所で買う」仮想通貨を買う時の最大の注意ポイント
初心者が一番最初にやりがちミスなので、心しておきましょう。
販売所、ダメ!
販売所ダメ、絶対!